人は50歳を迎えると、体力や記憶力の衰えを感じやすくなり、「もし突然倒れたり、孤独死をしたらどうしよう」と、不安になりがちです。
終活は高齢者の活動だと思っている方が多いと思いますが、実は独身や単身者など、一人暮らしの方は50代から始めた方が良い理由があるのをご存知でしょうか。
そこで、50代から始める終活のメリットと、なるべく早期に着手するべき取り組みについてご紹介します。
50代から終活を始める3つのメリット
終活は高齢になってからよりも、若い50代から始めた方がスムーズなため、その3つのメリットついてご紹介します。
- 気力や体力があるから
- しっかりとした判断力があるから
- 老後の準備に余裕があるから
気力や体力があるから
終活では、気力や体力が必要になる取り組みが多く、健康だからこそスムーズに捗るうえ、終活を済ませておくことで後々まで安心できます。
さらに、独身や単身者などの一人暮らしの方々にとって、最も重視しなくてはならないのが「孤独死」への対策です。
2022年の調査によると、平均寿命は男女ともに80代なのに対して、孤独死の平均年齢がおおよそ20年も若く、男性62歳・女性61歳という結果でした。
出典:第7回孤独死現状レポート(日本少額短期保険協会)
突然起こりうるケガや病気などへの備えはとても大切で、一人暮らしの方々にとって、万一の緊急時に速やかに対応できる対策は不可欠です。
しっかりとした判断力があるから
人は30代から加齢とともに判断力が低下する傾向にあり、高齢になると理解力や適応力も失いがちです。
終活では、老後に向けた将来設計や遺産相続を踏まえた遺言書の作成のほか、パソコンやスマートフォンなどのデータ整理を行う必要があります。
しかし、65歳になると5人に1人が認知症になると言われており、若年性認知症ともなると平均51.3歳という若さで発症しているのが実態です。
出典:若年性認知症 (厚生労働省)
認知症は終活によって事前対策ができるため、万一の時も安心して暮らしてゆけるよう、50代から準備に取り組むことが最良といえるでしょう。
老後の準備に余裕があるから
老後の暮らしに不安がある方は多いと思いますが、50代のうちに終活を行えば、将来を想定して、資金の面でも節約や貯蓄がしやすいでしょう。
2022年の調査結果によると、老後の生活に82.2%の人が「不安感あり」と回答し、年金暮らしに不安を抱いています。
出典:生活保障に関する調査(生命保険文化センター)
終活とは、納得・満足のできる人生を送るための取り組みのため、後悔のない老後生活を過ごすためにも、早めの50代から準備に取り組むことがおすすめです。
50代の終活でやるべきこと3つ
終活でやることはさまざまありますが、50代のうちにやっておくと良いのは、次の3つです。
- 身辺整理と断捨離(だんしゃり)
- 財産の整理
- エンディングノートの作成
① 身辺整理と断捨離
50代の終活では、不要な物を処分して、物にこだわらずに質素な生活を送る『断捨離』を始めると、節約になるうえ、老後生活でも苦になりにくいでしょう。
断捨離には客観的な判断力を養う効果があると言われているため、選択肢が多く、迷いが生じやすい終活においても役立ちます。
さらに、日々の活力や精神面にも影響を及ぼすため、清潔で整理整頓された環境で生活することはとても大切です。
なお、断捨離は成果を感じやすいように、身近で目に触れやすい場所から、次の順序で着手してください。
- すべての物を出してキレイに拭き掃除をしてから収納する。
- 種類ごとに整理整頓して陳列し、在庫数量をきちんと把握する。
- 必要な物以外はストックせず、購入しない。
② 財産の整理
人は高齢になるとお金の管理が困難になり、認知症を患うと預金口座は凍結されてしまいます。そのため、50代のうちに財産を整理して管理しやすくしましょう。
財産の整理では、すべての資産を洗い出し、通帳・証券・権利書・カード・印鑑などを分類、整理してから保管します。
負債となる借入金・ローン・クレジットカードなどによる支払いともども、現時点の資産と金額をリストアップしておくと、将来に向けた資金計画も立てやすいです。
この時、ぜひ見直しておきたいのが加入している保険です。最先端の治療を受けられるか、老後まで適用されるのか、無駄な保険はないかどうかを確認します。
また、財産を整理する際は、次の3つのポイントを押さえて、トラブルを回避しましょう。
- 10年使用していない口座は休眠預金となってしまうため、不要な口座は解約して、できるだけまとめる。
- 遺産相続では、銀行名や証券会社名が分かれば問題ないため、リストアップする際は安全対策として、暗証番号やID・パスワードを列記しない。
- 相続で漏れやすいインターネット資産となるネット口座・電子マネー・暗号資産などの財産に関しても忘れずに整理しておく。
出典:放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。(政府広報オンライン)
③ エンディングノートの作成
終活において、万一の時に必要な情報を簡単にまとめることができるのがエンディングノートです。
エンディングノートには以下の項目を記入します。
- 個人情報や緊急連絡先
- 病歴やかかりつけの病院
- 医療や介護に関する要望
- 延命措置に関する要望
- 死亡時の連絡先リスト
- 葬儀やお墓に関すること
- 死後に必要な手続き
- 財産の情報
- 相続の要望や遺言書に関する情報
- ペットに関する情報や希望
- 家族や周囲の人へのメッセージ
なお、エンディングノートに関しては、3つの注意点があるため、あらかじめ理解しておきましょう。
- 遺言書とは違い、法的な効力がない。
- 完成後は見直して、定期的に更新する。
- 収納場所を家族へ伝えておく。
みどり市や桐生市では、エンディングノート「わたしのきぼう」を無料配布していますので、ぜひ活用しましょう。
まとめ:終活は50代から始めるとメリットが多い!
終活を50代のうちに始めるメリットについてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。
- 気力や体力があるうちに、身辺整理と断捨離に取り組むことで、老後も生活がしやすくなる。
- 判断力のあるうちに財産を整理しておくことで、老後の準備がしやすくなる。
- 終活ではエンディングノートを作成して、定期的に見直す。
終活に関しては、「終活のメリットとやるべき理由とは?【無料相談】を利用しましょう!」「終活でやるべきこと10項目とは?終活の上手な始め方のコツも徹底解説」の記事でもご紹介していますので、併せてお役立てください。